経済オンチな自分だが、体系的にまとめられており、非常に分かりやすかった。
内容を簡単にまとめておく。
経済政策の3つの柱。
成長政策、安定化政策、再分配政策。
◆ 成長政策
【意味】
潜在GDPを成長させて経済の実力(基礎体力)をあげる政策。
※潜在GDPとは、"資本"、"労働力"、そして両者を結びつける"技術力"が、
無理なく、無駄なく使われている状態で達成されるGDP水準のことである。
【対策】
● 規制緩和と競争
何が成長戦略としては事前に分からないので、
どの分野に資金を投下するかの判断は市場に任せる。
● 資本増加による成長
労働増加による成長はもう不可能であるため、外資からの資本を増加させる。
また、技術によって資本と労働力を効率的に組み合わせる。
【市場だけに任せられない場合】
● 自然独占
規模の経済が働くとき、自然に発生する独占のことである。
また、費用逓減産業に対しても考慮が必要
初期費用が莫大、その後は作れば作るほど生産単価が下がっていく産業のことである。
電気、ガス、水道、鉄道、電話などの産業では自然独占が生じる可能性がある。
そのため、政府が規制や監視を行うインフラ部分と、
複数の企業が競争できるサービス部分を上下分割する必要がある。
また下記の規制方法を対策としてとることができる。
- ヤードスティック規制
- プライスキャップ規制
● 外部性
- 正の外部性
- 負の外部性
- 公共財
● 情報の非対称性
◆ 安定化政策
【意味】
潜在GDPと現実のGDPを一致させる政策。
体調を整え実力を発揮させる政策、とも言える。
【安定化政策の基本姿勢】
● 産業レベルでの対策では安定化は必要ない
良かったり、悪かったりする浮き沈みのサイクルが激しいほうが成長率がアップする。
淘汰のメカニズム、創造的破壊のプロセスが働く。
● 一国経済全体での対策では安定化は必要である
景気の善し悪しは均していったほうが、長期的な経済成長につながる。
安定しているからこそ、投資活動や人材育成、新技術の開発へ目が向く。
● 行動経済学的に考えるとはやり安定化は必要である
参照点(Reference Point)に人の幸福度は左右される。
そのためにも、収入の変化(過去の自分、他人の収入との比較)が生じないように安定化が必要。
【対策】
● 財政政策(経済安定化機能"、"資源配分機能"、"所得再分配機能"のうちの、ここでは"経済安定化機能")
- 財政支出の拡大(例. 公共事業)
- 給付金
- 減税
● 金融政策(日銀による日本国内に流通するマネーをコントロールし、景気を調整)
- ゼロ金利政策
コール市場(短期金融市場)のコールレート(金利)をゼロにする。
市中銀行同士の資金の貸し借りを(結果、一般企業への貸し出しも)活発化させる。
- 公開市場操作
買いオペを実施し、市中銀行の準備金(日銀当座預金残高)を増やす。
上と同じ理由で、一般企業の貸し出しが活発化する。
- 量的緩和政策
金融市場調整の操作目標をコールレートではなく、
市中銀行の持つ資金(日銀当座預金残高)そのものにする。
少々売りオペされても準備金がなくなる可能性は少なくなる。
つまり、ゼロ金利継続のコミットメントへの証拠となる。
◆ 再分配政策
【意味】
平等を一定のレベルで担保する政策。
【対策】
● 生活保護
● 年金
● 給付付き税額控除
● ベーシックインカム
★ その他語彙をメモしておく
・ティンバーゲンの定理
政策目標と同じ数の政策手段が必要。
一つの手段ですべては同時に解決できない。
ただし、ひとつの政策手段は、必ず複数の政策目標に好悪両面での影響をあたえる。
・マンデルの定理
ある問題の達成のためには,その達成に最も効率的な手段を割り当てるべき。
副作用への懸念はいったん切り離して考える。
副作用は別の政策手段を使って抑える。
・コンティンジェンシープラン
うまくいかなかった場合の措置をあらかじめ想定しておく。