2012年1月18日水曜日
『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』
◆ 市場が失敗する4つのケース
1. 規模の経済と独占企業
2. 外部不経済
3. 公共財の提供
4. 情報の非対称性
これ以外においては自由な市場による競争というのが、
国民全体をより豊かにするための最高にシステム。
◆ GDPについて
GDPとは
一年間に一国で生み出された付加価値の合計
= 最終的に新しく生み出されたモノとサービス
(何かを作るために必要な中間のモノやサービスはGDPには入らない)
中古のモノは新品として売られた時と中古として売られたときに二重にカウントされるのでGDPには入らない
株式や債券などの金融商品の売買も、実際にモノやサービスを直接生み出してはいないので計算には入らない
しかし、金融商品の売買で得た手終了は運用報酬は金融サービスを国民に提供しているためGDPに入る
GDPの三面等価
生産GDP(付加価値) = 支出GDP(購入) = 分配BDP(所得)
最終的に消費者に届けられる新しく生み出されたモノやサービスの売上があがるということは
必ず誰かが買っている、
そしてこれは誰かの支出であり誰かの所得になる
GDPの恒等式
GDP + 輸入 = 国内総支出 + 輸出
新しく生産されたモノとサービス + 海外で生産されたモノサービス
= 国内での消費 + 余ったモノとサービスの輸出
民間の消費と投資、政府の支出に分解すると
GDP + 輸入 = 国内総支出 + 輸出
GDP + 輸入 = 民間消費 + 民間投資 + 政府支出 + 輸出
GDPを物価で補正
一国のGDPを時系列で物価水準の変化を補正したものが実質GDP
実質GDP = 名目GDP / GDPデフレータ
世界各国のGDPを比べる場合は、購買力平価(Purchase Power Parity)を使う。
◆ 法定不換紙幣と国債について
政府と中央銀行のバランスシート
・政府
資産 負債
-------------------------
将来の徴税権 | 国債
-------------------------
・中央銀行
資産 負債
-------------------------
国債 | 中央銀行券
-------------------------
中央銀行は民間の銀行と国債の売買をするだけで富が増えるわけではない。
◆ マネタリーベースとマネーストック
マネタリーベース
= 世の中に流通している現金の物理的貨幣 + 銀行が日銀に預ける預金である日銀当座予見の残高
日銀が支柱の銀行から短期国債を売買したり、法定準備率を変更して直接コントロール可能
マネーストック
= マネタリーベースを元に信用創造で膨らんだ個人や企業の預金残高と手元にある現金のすべてを足したもの
民間の銀行がどのようにお金を貸し出すか、民間企業や個人が手元にどれだけ現金を残すかによるので、
中央銀行が直接はコントロールできない
信用乗数
= マネーストック / マネタリーベース
◆ 物価とお金の送料の関係
MV = PY
M : 世の中に出回っているお金の総量
V : 取引流通速度(世の中で一年あたりにお金が何回使われるか)
P : モノとサービスの平均単価
Y : 世の中で一年間に取引されるものとサービスの総数
マネーストック × 貨幣流通速度
= 物価水準 × モノとサービスの総量
◆ 景気対策
1. 財政政策 歳入面 : 減税
歳出面 : 公共事業、定額給付金
2. 金融政策 歳入面 : 短期金利の調整
歳出面 : 非伝統的金融政策
1.
政府がお金を使えばどんどんGDPが増える?
乗数理論の欠点
乗数理論
GDPの増加 = G + c1×G + c^2×G + c~3 ×G
= 1 / (1-c) × G
G : 政府支出
c : 消費性向(例 100万円収入が増えたら70万円使うなら、消費性向は0.7)
政府が1000億円使えば、GDPが300億円増える!?
クラウディングアウトの問題が発生する
民間が何かに投資したり消費したかもしれないお金を政府が勝手に使ってしまい
民間の経済活動を押し下げる
時間軸の考察と将来負担の概念が抜けている
国債の発行→将来の税金の先食い
2.
日銀がオーバーナイトの金利を操作
しかしデフレを治せない
流動性の罠
ゼロ金利の世界では現金を持っている機械コストがゼロになり、
日銀当座預金口座にお金が積みあがっていくばかりであり貸し出しにまわらない
非伝統的金融政策
中央銀行が長期国債を買ったり、株を買ったり、将来もずっと金融緩和を続けると約束
ただし、企業の健全な競争や労働者のモラルを破壊する可能性がある
国民の財産を毀損するリスクの高い政策を勝手に行うべきではない
成長率 < 金利
の世界では銀行からお金を借りて事業を拡大すると全体では損する確率の方が高くなる
R = I - K
R : 国債の実質金利
I : 名目金利
K : 期待インフレ率(人々が予測するインフレ率)
おカネはグローバル化している
Rj = Ij - Kj
Ra = Ia - Ka
j : japan
a : america
日本
Rj = Ij - Kj
2% = 1.5% - (-0.5%)
アメリカ
Ra = Ia - Ka
2% = 4.0% - 2.0%
一致する
金融政策では金利と成長率を同じぐらいになるように誘導する
G = R = I - K
成長率 : G
人口が減り、イノベーションが起こりにくい日本では成長率は低い
Ga > Gj
成長率 : G
現実的には
Ga > Ra
Gj < Rj
日本は 成長率 < 金利
慢性的な金融引き締め圧力
慢性的な経済の停滞を解決するには潜在成長率をあげること
デフレは経済の停滞の原因ではなく結果である
潜在成長率 : 労働力の質と量をかけたもの
◆ 国際収支関係
●
国際収支 = 経常収支 + 広義の資本収支(資本収支 + 外貨準備増減) = 0
○
経常収支 = 貿易・サービス収支 + 所得収支 + 経常移転収支
貿易・サービス収支 : 純輸出(輸出 - 輸入)
所得収支 : 国内の移住者が海外から受け取る雇用者賃金、外国への投資から受け取る配当や利子、
逆に外国へ支払ったそれらの収支
経常移転収支 : 外国へ、あるいは外国からの贈与や寄付(例 災害被害者への義援金)
額が小さいのでほぼ無視できる
○
資本収支 = 直接投資収支 + 証券投資収支 + その他投資収支 + その他資本収支
直接投資収支 : 不動産や工場などの海外の生産設備への投資
証券投資収支 : 株や債券などへの投資
その他投資収支 : 国内緊急機関からの海外への貸し出しや海外金融機関への預金
資産の増加はマイナス(流出)、減少はプラス(流入)
負債の増加はプラス(流入)、減少はプラス(流出)
○
外貨準備増減 : 政府や中央銀行が為替介入などにより外貨の保有を記録しておくもの
資本収支と同じように、国外に自国通貨が流出する時をマイナス、
国外から自国に流入する時をプラスとする
例
外貨を買う場合はその分の円が外国に流出するのでマイナス
経常収支と資本収支の合計は常にゼロとなる
例
100億円車を輸出 経常収支は100億円黒字
代価をドルで受け取り外国の銀行に預金されるとマイナス100億円
例
為替介入で100億円の円のドルを買う
100億円分のドル資産が増える
外貨準備増減として100億円分の円は出ていくのでマイナス100億円
例
日銀の負債である日銀券を買った外国に対して債務が増える
資本収支が負債の増加でプラス100億
外貨準備増減がマイナス100億
経常収支と資本収支と外貨準備増減を足すと常にゼロになる
輸出の方が輸入より多くて黒字だと、その分のお金は必ず海外に投資されている
例えばアメリカに車を輸出すると、対価としてドルを受け取る
これはアメリカ政府が発行するドル証書に投資したと考えられる
そのドルでアメリカの株を買ってもいいし、アメリカの国債を勝手もいい
逆に輸入超過の場合は、必ず海外から日本に投資されている
日本がアメリカ国債をたくさん買う理由でもある
◆ 為替を決める大きな要因
1. インフレ率
2. 金利
3. 経常収支
1.
インフレ国の通貨は長期的には下落する。また、デフレ国の通貨は長期的には上昇する
一物一価が基本であるという購買力平価という法則があるため
アメリカでハンバーガが1ドルで、日本では100円ならば、
同じハンバーガなら1ドルと100円は同じでなければおかしい
2.
高金利通貨は下落する。また、低金利通貨は上昇する
日本より高金利の海外のおカネがあったら、
金利というインカムゲインと価格の上昇というキャピタルゲインの両方で儲かる
世の中にはフリーランチはない
高金利で魅力が増し通貨が買われて上昇したというニュースもある
利上げのニュースの後に瞬時に為替レートがジャンプして、より高いところから将来の均衡水準に
収束していくためつじつまはあっている
つまり、金利というインカムゲインが増えた分、為替レートが切り上がって今後上昇する確率を下げ、
リターンがほかの通貨と同じになる
3.
経常黒字国の通貨は高くなり、また、経常赤字国の通貨は安くなる
経常黒字が溜まると外貨建て資産が増える
外貨建て資産が増えると為替リスクを減らすために、少々損をしてでも資産を売る人がでてくる
例えば、ドルのリターンは円のリターンに比べて少々見劣りしてもいいということになって、
そのような期待リターンになるまでドルが売られて円が買われる